
はじめに:スクロールが止まった理由
Instagramを見ていて、ふと指が止まることがあります。
今日、自分がスクロールを止めたのは、田坂広志さんの短いリールでした。
静かで深い語り口。
淡々としているのに、心の奥にじわりと届く声。
その瞬間、10年前に田坂さんと名刺交換をし、短くお話ししたときの記憶がふわっと蘇りました。
言葉よりも「佇まい」や「呼吸の置き方」が印象に残る方で、リール越しにもその空気感が流れ込んできました。
田坂広志さんの略歴
田坂広志さんは1951年生まれ。
1974年に 東京大学 工学部を卒業され、その後同大学院にて博士(原子力工学)を取得。
1987年には米国のシンクタンク Battelle Memorial Institute および Pacific Northwest National Laboratories に客員研究員として在籍。
1990年には 日本総合研究所 の設立に参画し、新産業創造のための活動に携わりました。
2000年には 多摩大学大学院 教授に就任、現在は名誉教授。また同年、シンクタンク ソフィアバンク を設立。
さらに、2008年には World Economic Forum のGlobal Agenda Councilメンバーに就任。
2011年には、内閣官房参与として、東日本大震災・福島原発事故の対応にも関わられています。
著書も国内外で100冊超と幅広く、多岐にわたるテーマを語ってこられました。
このような背景をもつ田坂さんだからこそ、リールでの問いは、ただの思考実験ではなく、実践に根ざしたものとして響いてくるのです。
田坂さんの問い:「あと30日しか生きられないとしたら」
リールの中で田坂さんは、静かにこう問いかけていました。
「もし、あと30日しか生きられないとしたら、あなたは何を大切にしますか?」
それは、“死”を語っているようで、実は“生き方”に関する問いです。
この問いには答えがありません。
でも、問いそのものが、自分の心の中にそっと波紋を広げていきます。
“死”を想像すると、世界の見え方が変わる
この問いには、田坂さんがこれまで語ってきた実践的な死生観が凝縮されています。
人は「死」を想像したとき、いま目の前にある世界の意味が変わることがあります。
あれもこれもと抱えていたものが、“本当に大切なこと”と“そうでないこと”に自然と分かれていく。
優先順位が静かに、ゆっくりと並び替わっていく。
リールの言葉は短いのに、その背後に深い余白があり、考える時間を与えてくれました。
人は“答え”ではなく“問い”によって動き出す
田坂さんは、何かを押しつけるような言い方はしません。
「こう生きなさい」「こうすべきだ」と言わない。
ただ、一つの問いだけを置く。
「あなたは何を大切にしますか?」
すると、こちら側の内面で静かな対話が始まります。
コーチングでもそうですが、人を動かすのは“答え”ではなく“問い”です。
問いが心に長く残り、気づけば人生の舵を少しずつ切っていく。
田坂さんのリールは、まさにその“問いの力”そのものでした。
30日を仮定すると、いまの日常が照らし出される
自分自身も、そっと考えてみました。
・誰に会いたいのか
・どんな言葉を伝えたいのか
・何を手放し、何を残したいのか
・どんな時間を生きたいのか
30日という時間を思い浮かべると、日常に散らばっていた気持ちが一本につながり始めます。
リールを見て、自分の中で
**“今日の生き方を選び直す”**というスイッチが静かに入りました。
それは劇的な変化ではなく、心の重心が少し前に傾くようなもの。
でも、その小さな傾きが大切なのだと思います。
一度会ったときの“佇まい”が、言葉の深みを変える
田坂さんと10年前に短くお会いしたとき感じた、
・語る前の呼吸
・目の優しさ
・人を急かさない雰囲気
そうした佇まいの記憶があるからこそ、リールの言葉が他の誰でもない“あの人の声”として響きました。
言葉の意味は、誰が語るかによって大きく変わります。
その意味で今回のリールは、自分にとって特別な響きを持っていました。
これは“死”ではなく“生き方”の話
田坂さんの問いは、死を語っているようで、実は“生”の話です。
どう生きるか。
何を大切にするか。
今日の時間をどう使うか。
たった30秒のリールが、自分の生き方の方向性を静かに照らしてくれました。
これは田坂さんからの問いであると同時に、いまの自分への問いでもあります。
あなたが本当に大切にしたいものは何でしょうか?
その答えは、今日の生き方を少し優しく変えてくれるはずです。
今日も佳き日に
コーチミツル
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